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技術の概要と対象市場

 
■ 開発技術の概要
【大学発ベンチャー創出推進で開発した技術等】
研究・開発では、静電アクチュエータの駆動電圧をゼロにして、外部から移動子フィルムを動かしたところ、このアクチュエータが移動変位を高精度で測定できるセンサーになることを発見しました。そして、小型の信号処理回路と高速表示カウンタを製作し、リニアモータなどへ組み込み十分にエンコーダとして機能することを確認してます。
  アクチュエータとエンコーダの比較
 
アクチュエータとエンコーダの比較
 
■ 対象市場
【対象市場のニーズならびに市場規模・成長性】
期待される市場として、1.リニアモータ市場,2.サーボモータ市場,3.自動車部品市場などがあります。リニアモータ市場については、ワイヤレスヘッドを活かしたエンコーダの採用により、リニアモータ市場の拡大を目指します。現在のハイブリッド自動車の回転センサーは「レゾルバ」と呼ばれる磁気式センサーが用いられていますが、薄型や磁束の影響を受けないことから、この代替えを考えていきます。
<市場規模>
2000年度のロータリエンコーダ・リニアスケールの国内生産金額は、18,407百万円と予測されています。
(光産業技術振興協会,電子部品年鑑2001−中日社より)
 
■ 提供する製品・サービスの内容
【製品・サービスの概要および新規性・差別化ポイント】
静電エンコーダは、スケールやヘッド部(センサー)が電極のみで構成されており、その形状は他の例えば光学式エンコーダなどに比べて比較的自由にできます。移動するヘッド部には静電誘導による給電技術を用いたことで給電線が不要になるワイヤレスヘッドが実現できました。スケールの電極ピッチは200μmですが、受信信号の位相成分に着目してその補間処理をすることで、出力は0.2μmまたは0.8μmの位置分解能が得られます。
  ワイヤレスヘッドの静電エンコーダ
 
ワイヤレスヘッドの静電エンコーダ
 
【特徴】
センサー部が電極のみで構成された静電エンコーダは、従来の他の光学式エンコーダなどと比べて次のような多くの特徴をもっています。
超薄型・小型: センサー部の厚さはわずか0.2mmで、機械のちょっとした隙間にも設置可能です。
柔   軟: 回転軸などへ円筒状にスケールおよびヘッドを配置することが可能です。 
簡単な設置: 光学式エンコーダは一箇所に絞ったレーザー光の反射を用いているため埃などでエラーになったりするほか、設置においては厳しい取り付け精度が要求されます。これに対して、静電エンコーダはセンサー部全体の面積を使って信号を検出するので、ごみなどの混入が多少あっても、センサー部が多少の角度ずれがあっても支障なく動作可能です。
低消費電力: 発行素子などが無く大きな電流を流すデバイスがありません。
高信頼性: スケール側から信号線を引き出すために、断線の危険性がありません。さらに、センサー部は電極だけなので、高温環境で使用が可能です。
 
【回転型静電エンコーダ】
ステータとロータからなる回転型の静電エンコーダを開発しました。極めて単純な電極構造に関わらずアブソリュートで4096分割/回転の分解能をもっています。これは高温で使用可能など耐環境性にすぐれるとともに、モータで発生する磁束の影響が無いなどの特徴があります。
  ワイヤレスヘッドの静電エンコーダ
 
回転型静電エンコーダ
 
■ ビジネスプラン
【事業の進歩状況と今後の展開】
株式会社青電舎は、まだ設立されたばかりの小さな会社です。当面はユニークな静電エンコーダのサンプル販売を中心に、本格生産化を視野に入れながら展開していきます。ワイヤレスヘッドのエンコーダは光学式エンコーダには無い大きな特徴をもっており、リニアモータ市場の活性化に寄与していきます。とくに大きな市場が期待される回転型静電エンコーダについては、量産メーカと共同で製品化を進めていく予定です。
また、静電エンコーダの特徴を活かした共同研究開発を進めていきますので、従来のセンサーなどでお困りの方はぜひご連絡をお願い致します。

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